大磯砂の酸処理



 何故、大磯砂を酸処理する必要があるかといいますと、大磯砂は海砂であり、貝殻や珊瑚のかけら等がかなり混じっています。この貝殻や珊瑚のかけらは、水に徐々に溶け出し水のPHを上げ、硬度も上げてしまうので、貝殻や珊瑚のかけら等を酸によって溶かしてやる為です。

 アルカリ性の水を好む飼育魚には、酸処理は必要ありませんが、大部分の飼育魚や水草は、弱酸性を好む事が多いので酸処理を行ない、貝殻や珊瑚のかけらを溶かすのです。
 べつに大磯砂でなければならない訳ではありません。大磯砂の酸処理なんて面倒だと思われる方は、PHや硬度に影響しない底砂も沢山販売されていますので、ショップの方に聞いてみて下さい。
 例えば、川砂やセラミックでできた砂(色のついた砂も有り)等が有り、PHを上げる為に珊瑚砂、PHを下げる為に土を軽く焼き固めたソイル等、目的に応じ色々な砂が販売されています。使用する砂は、皆さんの目的に合った底砂を使用しましょう。

 底砂が何故必要かといいますと、水草を植える為や、底砂にバクテリアが住み着き硝化作用の手助けを行ないますので、底砂を入れた方が水質が安定しやすくなります。特に底面ろ過では絶対必要です。
 飼育魚によっては、底砂を入れない(ベアタンク)で飼育する方法もありますので、飼育方法によっては絶対底砂が必要という訳ではありませんが、通常の場合有った方が良いようです。

硝化作用とは、生体がいて餌を与えると水槽内では、アンモニアが発生します。そのアンモニアをバクテリアが分解して亜硝酸塩にします。亜硝酸塩を別のバクテリアが分解して害の少ない硝酸塩にする事をいいます。

底砂の水洗い
@洗う前の大磯砂
A大磯砂に水を入れた
B大磯砂を洗う
C貝殻
Dきれいになりました
E煮沸消毒

 底砂に、大磯砂を使用する為、まず水洗いします。
(写真Aのように、よく汚れています)

 写真@のように、手ごろな量を洗い桶に入れ、写真Bのようにお米を研ぐようにゴシゴシと洗い、ゴミや汚れが無くなり、濁らなくなるまでよく洗います。
 洗う時になるべく、ゴミや貝殻等も目立つ物は、取っておきます。(海砂ですので、写真Cのような貝殻がかなりあります)
写真Dのように、水が澄むまでよく洗います(これでも泥の付着した物は、きれいに落ちていません)。

水洗いの後煮沸しますと、微生物や汚れ・塩分の更なる除去に有効です。


乾燥
F乾燥前
G乾燥後
 水洗いした大磯砂をざる等で水をよく切り、なるべく大きな容器に砂が薄く広がるように移し、乾燥させます。
(乾燥させる事により、酸処理が早くきれいにできるようになります。)

 場所さえあれば、広い場所にビニールシート等を敷き、大磯砂を薄く広げ、天日干しする方法が比較的早く乾燥できますので、お勧めします。
 今回は、狭いところで乾燥させるのを前提としてベビーバスを使用しました。
 写真Fのように、ベビーバスに入れ乾燥するまで、毎日1〜2回掻き混ぜながら1週間程(季節や天気によります)天日干し乾燥を行いました。
(底の方は若干湿っていますが、ほぼ乾いているのでこれでよしとしますが、できれば十分乾燥させた方が、早くきれいに酸処理できます)

: 早く乾燥させる為に、ヘアードライヤーで乾燥させよう等と思わないで下さい。ぬれている物を完全に乾燥させるとなると、砂の量等にもよりますが、数時間かかりますので、ヘアードライヤーや電源コード等が熱を持ち、発火等の原因にもなり危険ですし、ブレーカーも落ちるかも分かりませんし、電気代もそれなりにかかりますので、絶対におやめ下さい。

酸処理
H食酢を入れます
I泡が出てきました
J毎日数回掻き混ぜます
K泡が出なくなりました

 大磯砂には、貝殻や珊瑚のかけら等の硬度やPHを上昇させるものが入っていますので、食酢(普通の穀物酢)を使用して「酸処理」を行ないます。(食酢を使用して貝殻等を溶かす訳ですね。他にも業務用等では、塩酸や硝酸を使用する方法もありますが、危険ですし、後処理が大変なので食酢を使用します。)

 食酢で酸処理するには、途中何度も掻き混ぜなければならないので、私はベビーバスを使用しています。砂の量によりますが、タライ等の口の広い容器で行なうとやりやすいです。

 まず、砂を平らにならし、Hのように、砂を入れた容器に砂が完全に浸かるまで食酢を入れます。(酢の匂いが気になる場合、ふたをすると良いでしょう)
 17kgの0.8分の大磯砂が、ぎりぎり浸かるまで、900mlのビン4本を使用。ぎりぎりではすぐに蒸発するので5本使用し、十分浸かるようにしました。

Iのように、しばらくすると泡が出てきます(貝殻等が溶け始めました)。
Jのように、毎日数回掻き混ぜ(手でかき混ぜた方がきれいに混ざりますが、手が臭くなるのがいやでしたら、しゃもじ等へらのような物を使用すると良いですが、金属製は酸による腐食の可能性がありますので、木やプラスチック製の物を使用した方がよろしいです。ただし、砂をかき混ぜるにはかなりの負荷がかかりますので、折れる可能性がありますので、ご注意下さい)、食酢が蒸発しますので減ったら足してやるようにし、常時浸かっているようにします。
Kのように、泡が出なくなるまで上記の作業を続け、貝殻や珊瑚のかけらが溶けてしまうまで行います。(貝殻等の大きく目立つものを残していると、なかなか溶けませんので、水洗いの時にできるだけ取るようにします) 貝殻等の含まれている量や大きさ・酢の酸度等環境によっても違いますが、約5日から10日間位かかります。


水洗い
L酸処理後の食酢
Nよく水洗いします
M汚れた食酢のろ過
Oきれいになりました
 酸処理が終わったら、バケツを受け食酢を移します。

Lのように、酸処理後の食酢はドロドロに汚れています(最初の水洗いだけでは、きれいになったようでも、泥がきれいに取れていません)。
Mのように、ビンに漏斗を置き、コーヒーろ過ペーパー等でろ過し、次回再利用します(再利用の為には、なるべくきれいにし、栓をして冷暗所で保存しますが、再利用の物だけで貝殻等を溶かそうとすると、もうその中には貝殻等が溶け込んでいますので限界があります。再利用する場合は、新しい食酢の方が多くなるように使用して下さい)。
Nのように、食酢や大磯砂に着いていた泥の汚れが残っていますので、流水でよく洗います。Oのように、濁りがなくなるまで洗い、ざる等で水を切ります。
 よく洗いと書きましたが、食酢の成分を完全に無くすように洗うのは難しいですし、若干食酢の成分が残っていても問題はありませんので、濁りがなくなり、食酢の匂いがしなくなるまで、適度にきれいに洗って下さい。
 はい、これで酸処理は終わりました。
 この酸処理をしても、若干貝殻等が残る場合が有りますが、酸処理していないものに比べると、PHや総硬度(GH)の上昇等はほとんど問題のない程度です。
鑑賞魚用LED照明の実用に耐えるものが、やっと完成しました。
興味のある方は、観賞魚水槽用LED照明 をご覧下さい。

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